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日々雑記

今更、竣工現場で湧いてくる疑問

とある新設現場にて竣工試験を受託。
接地抵抗測定、2重絶縁標記の確認、地震強度計算書の確認、絶縁耐力試験、OCR,OVGR、DGR、LGRの継電器試験、
各部点検、増し締め、A、D種と各高圧機器の導通確認、トランス2次側の絶縁、内部タップの確認、絶縁油は適正レベルまで入っているのか、高圧絶縁抵抗測定、相間インピーダンスの測定等々。


syunkou092101.jpg



ケーブルは38°20m程度、PAS2次側からQB含んで一括耐圧。
念のためリアクトルも準備してきたが、予測通り励磁電流は13A程度で出番なし。


syunkou092102.jpg


OCRは後継機種で新型ですな、前面からトリップ端子が活用できるんだ。素晴らしい。

syunkou092103.jpg

syunkou092104.jpg



工事会社から一連の資料のコピーを渡され、内容を確認してみる。

syunkou092105.jpg


その中に電力との協議書控えあり
電力側の%R=23.054 %X=40.910 ∴%Zs=46.959  10,000kVA基準
受電点三相短絡電流Is=1.863kA
推奨定格遮断電流=12.50kA
遮断機の推奨遮断時間=5サイクル以下
B種接地抵抗値=50.00Ω

shyunkou092106.jpg



OCR整定値は時限5.0A、整定レバー1.0、瞬時30Aと指定。

QB内トランスは
1ΦTr=10kVA  %Z1=1.9%
3ΦTr=500kVA %Z3=4.2%

私は今まで、まともにこの整定値を検討したことが無い。
大昔に一度、検討してみたことはあるが、
正解らしきものが得られずに放置したことがある。(笑)
結局、アバウトな設定(瞬時=時限×8倍)で実質上、運用okだった記憶があり、久しぶりに
妥当性を考えてみるかと。。。

かって、某協会に質問したことがあり、その時の回答は、
日本電気協会の高圧受電設備規定の過電流保護協調解説の項、
突入電流波高値倍数Kと減衰乗数τを用いて計算するとか。。
なんとか、かんとか、?・・・よく覚えていない。
要は、変圧器の突入電流を対策しろと。。

改めて精読してみると
150ページに簡易式があった。
励磁突入電流実効値Iφ=In×α×K
で表されるそうだ。

この式を用いて計算してみると
設置されているCTは75/5
1ΦTr 10kVA 1次側 1.5A  瞬時Iφ 23.8A(1.5*30*0.523)
3ΦTr 500kVA 1次側 43.7A  瞬時Iφ 377.3A(43.7*15*0.575)

安全率を1.2とすると
時限 3.6A ((10/6.6+500/6.6/1.732)×1.2/75/5)
瞬時 27A ((23.8+377.3)/75/5)
時限の値が協議書より低い。

安全率を1.5にすると
時限 4.5A
協議書と一致する。

単純に27/3.6=7.5倍
瞬時は時限の8倍程度としてもよいのか?。


500kVAの励磁突入電流は、其カタログを見ると
0.01秒後428A、0.1秒後253A、1秒後91.8A
Iφ´=500kVA/1.732/6.6×8倍=349.9A ⇒上記、瞬時値と近いのか。。?
   =500kVA/1.732/6.6×10倍=437.4A
やはり、8倍が妥当かと思える。

次に昔から大嫌いな%インピーダンスを用いて事故計算してみる。
QB内に小動物が動力トランスの2次側MCBに接触、三相短絡を起こした場合、

10MVA基準から
In=10,000kVA/1.732/6.6㎸=875A
① 三相短絡電流:I3s=875A/(46.959/100)=1.863kA
② 母線短絡容量:Ps=1.732×6.6kV×1.863kA=21.3MVA
電力側合成%インピーダンスを500kVAに揃える。
46.959%×500kVA/10,000kVA=2.35%

④ 高圧ケーブル38°20mは
Zl=R+jXΩ/㎞=0.626+j0.148Ω/㎞
10,000kVA換算する
%R=0.626/Ω㎞×10,000kVA/(10×6.6×6.6kV)=14.37%
%X=0.148/Ω㎞×10,000kVA/(10×6.6×6.6kV)=3.4%
∴%Zl=14.77%
14.77×20/1000=0.295%

⑤ 500kVAトランスの2次側で3相短絡時
トランスの%Z=4.2%
Zt=4.2×10,000kVA/500kVA=84%
In=10,000kVA/(1.732×210V/1000)=27493.7A
I3s=27493.7A/(46.959+0.295+84)×100=20947A
変圧比=6600/210=31.4
1次側換算:20947A/31.4=667A
CTを介しているので、667×5/75=44.4AがOCRに流れ込む。
瞬時タップが30Aだから、44/30=147% 0.08secあたりで落ちる。
時限タップは5Aだから44/5=880% 1.038secで動作、遅いね。
OR回路みたいだから、先に瞬時が働いて落ちるのか?
というか、その前にMCCB3P100A直下とすれば、
 20947A/100A=209倍、瞬時にMCCBが先に飛ぶんだろうね。。

また、協議書を読み返していると、CT75A以上では保護協調図の提出要とある。

ありゃー、配変のdataも聞かないといけないね。。
改めて、問い合わせしてみよう。。

電力さんから回答を貰う。
該当事業所の配変電所の動作特性は段限時特性で、
720A 0.5秒  1440A 0.2秒

超反時限のOCR理論値、突入電流などを対数方眼紙に反映させてみると、

発電所の保護協調図20211001


遮断機の推奨遮断時間が5サイクル以内ということは、0.1sec、
OCR単体の動作時間が50msecとして
合計、0.15sec以内ということになる.
0.2sec迄には、あと50msec余裕があると言える.
竣工試験の連動試験では70msec。

定格電流、突入電流、電力境界値から判断すると協調は取れている.




対数方眼紙は、http://hanasaka.life.coocan.jp/index.htm さんから借用させて頂きました。




今朝、何気なく、近所の赤ちゃんの瞳を覗き込むと、胸が熱くなって涙が出そうになった。

「実に嬰児の目を見る時ばかりは、人間は皆清く美しい星の化身と頷かれる」   泉鏡花
             



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