先週末土曜日は当事業所の年次点検。
選任されての初の大仕事?
先任技術者は定年で退職済み。
永く現場を離れて事務方の仕事をしてきたのに
突然、現場に戻された。
年次点検は其協会に委託している。
自分たちでも可能であるが、上層部は外部に委託を慣例としている。
保全係から3名を輩出し、ことに臨んだ。
私はいずれこの仕事で飯を食っていきたいと思っているので、
今日の作業は仲良くさせていただいている作業責任者に同行し、
実作業を確認し、疑問点は思いっきりぶつける所存。(笑
(作業中の写真は一切なし)
10時に協会が到着。
天気は快晴(よかった
揃った人員を名簿で確認すると20代前後のかたが2名、
3,40代の方2名、50代の方2名、
明らかに60代以上の方が4名。。。^^;
その中に懐かしい方を発見。。
昔、お世話になった方
定年後はうちにおいでと誘われる。
それも悪くないか。。
実作業を練習するうえでもっとも適切な職場かと思える。
事前に私たちで、すべての負荷は停止済み。
一緒に作業責任者に同行。
わたしの指示のもとに
配電盤にて動力から電灯回路へと順次開放されていく。
構内第1柱に付属しているDGRのVc離線
GR電源のみ投入し、DGR試験機にて各要素が測定されていく。
GR電源開放し、Vc配線を再接続
GR電源再度投入し、PAS連動試験実施。
電気室DS電源側、検電
無充電を確認し、一括放電。
VCB開放
DS検電の上、開放
3線短絡接地器具をDS電源側に取り付け完了し、
作業開始。。
【都度検電をお願いします】という言葉に
安全第一で作業を実施しているのだと、ちょっと感動。
低圧絶縁抵抗測定実施、
おおもとの配電盤では絶縁不良はなかった。
(あたりまえでしょ、私たちが管理してるのだから)
でも、少し前の雨の日にIgrが50mAを超えるのはなぜ??
清掃業務、継電器試験はお任せにして、
構内QB4箇所と約60か所の分電盤、負荷設備点検に同行。
主にマグネット回路の絶縁を当たっていくが不良個所なし。
2時間かけて一緒に回るが、不良個所は皆無。
電気室に戻り、高圧メガ測定実施(DC10000V印加)。
DS電源側G法にて100GΩ、シース抵抗50MΩ
DS負荷側一括、E法にて4GΩ
古い施設ではあるが、特に不具合個所もなく
高圧、低圧ともに絶縁抵抗は健全であった。
問題は雨が降ると、なぜB種漏洩電流Igrが50mAを突破するのか?
はりきって原因個所を見つけ出そうとしたが、やはり謎である。
作業責任者も申し訳ない顔をしているが。。
不明なものは仕方がない。
3時間程度で無事、復電。
どうにかしてこの問題をクリヤしたいものだ。。
※その後、原因が分かったので追記。
そもそもIgrとは何か?
ここから頭の中を整理するために知識を整理していく。
従来低圧絶縁監視装置はIor方式が採用されていたが、
この工場においては送り出し弘長が長く、C容量も多く、
インバータ機器が多種多様に多いため、旧来のIgr方式に切り替えた経緯がある。
手元の旧式リークメータで計ると問題のNo.4トランス500kVAは常時Io=200mA、Ior=70mA。
これがIgr方式では10mA未満になる。
IgrとはB種接地線に重畳トランスをかまして、低周波、低圧電圧を重畳させる直接接地方式のことだそうで、
悪さをする静電容量がすべて除かれて、真の絶縁抵抗電流が測定できるそうである??
(波形はPeaktoPeakで2V、10Hzくらいである)
それでは、実際に雨の日の土曜日に探査を行ってみた。
なにも武器はないのではお話にならないので、Igr探査機を其所からお借りしてきた。
外は幸い、しのつく雨。
送り出し幹線を順番に当たっていくがすべて10mA未満で異常がない。
振り出しに戻り、順番に各工場の負荷設備を手配して順次、稼動させていく。。。
すると第3工場で天井クレーンを動かすと初めて値が30mAを突破したのである。
このクレーンはほとんど出番がなくめったに動かしていないのだが、まったく稼動しないわけでもない。
ははー、これが原因負荷かと思い、天井クレーン回路を調べてみるが絶縁的に異常はない。健全であった。
だとすると、残りはトロリー線しかないと思われるので、再度後日調査とした。
定期検収でクレーン業者が訪問してきたので一緒に作業に同行。
やはり回路的には問題なし。
クレーンを小刻みに横移動させて、いちいち動力回路を開放させながらパンタグラフから上位の
トロリー線路を支えている碍子を一緒に目視点検を行っていくと。。。。。
割れた碍子を3本発見。。
命綱をつけて危険な作業を実施した甲斐があり、漸く原因究明完了となった。
なぜ雨に起因するかというと、ご丁寧に近くの天窓を開ける人がいて、閉め忘れで湿気を大量に吸い込んだ
碍子がリークしていたものと判明。。
よかった、よかった。。
やはり、原因があったわけだ。
これだけのことが分かるのに約1ヶ月半もかかってしまった。
でも非常に嬉しい。。
お借りしてきた探査機は超大型クランプ付
個人的に欲しい機種です。
http://ec.midori-anzen.com/shop/g/g5050013210/
スポンサーサイト
- 2017/02/27(月) 18:46:40|
- 電気
-
-
| コメント:3
ひょんなことから、偶然、またも三菱の過電流継電器:MOCA1VRが手に入る。
但し、トリップ信号が出なく、警報接点からとらざるを得なかった。

さっそく、試験機につないで先と同じ設定で測定値を取ってみた。



測定値はSPEC内に収まっていた。
もう慣れてきて、あまり面白味を感じない。
もう少し工夫してVCBに代わるようなものを接続してみたくなった。。。。
- 2017/02/21(火) 20:50:13|
- 電気
-
-
| コメント:2
少し前に落とした三菱のMOCA1TRを用いて練習してみる。

測定結果をexcelにてシュミレート。


近似式の値より少し低めに乖離している。
SPECはカタログから

SPECから外れているのは300%下限4.98秒だけ。。
ま、きっと、こんなものなのでしょう。。?
- 2017/02/13(月) 21:25:53|
- 電気
-
-
| コメント:0
位相角度の表示されるものをまたもジャンク扱いで手に入れた。
例によってケーブル類は付属しておらず、電源コードのみであった。
OCR試験機のケーブルを利用して早速、機能確認実施。

1991年製で、レトロな雰囲気がある。
自分と同じレトロ調でちょうどいい感じ。。笑
しかし、重量が半端なく重い。
出品者が最新の軽い試験機に更新した気持ちが痛いほど分かる。
メーカのhpに飛んで操作説明書を探すが、無い。
この点、むさしは親切ですね。
古い試験機の説明書がちゃんと保存されている。
更新機種の説明書を代用して操作してみる。

Ioを300mAにセットしてVoを徐々にあげていくと177Vあたりで動作。。。
先のムサシでは184V。。
やはりデジタルで試験結果が表示されるものが現代では好ましく感じられる。
アナログの最小目盛り以下ではアバウトな数字になる。

動作時間結果
Vo286V Io260mAにて 253msec
さきのムサシでは259msec
ほう、良いじゃないですか。

同様に
Io800mA にて 156msec
さきのムサシでは160msec
ほとんどというか、まったく差の無いレベルと言えるか。。
ここで問題を発見。。
トリップ検出を接点モードで取っていたが、突然検出不能になる。
当然、あのレトロなブザー音も停止。。
仕方なく電圧トリップに切り替えバルブ信号から取り直した。
残念である。。
レトロなご老体は輸送中の衝撃で、一部の機能がお亡くなりになったのか。。
また時間があるときに分解点検してみよう。。
さて、念願の位相角度の試験実施。


Vo:286V ,Io:300mAにて位相角度をlead、lag方向にいっぱいに振ってみると
閾値はlead:115度、lag:60度であった。
これだけなの?
うーん、もっと感動があると思っていたが。。。
びっくりするような大げさな試験ではなかった。
戸上の説明書を見ると
遅れ60度±15度、進み120度±15度である。
それにしても、この試験機は重いぞ。
そうだ、慣性試験機能もないぞ。。。。
- 2017/02/12(日) 10:00:21|
- 電気
-
-
| コメント:0
先日手に入れたZPDの詳細が自分にはよく理解できていないので、
少し勉強してみた。
PASに付属していた説明書を熟読してみる。

T端子につながってるC3コンデンサは、テスターのCレンジで測定すると0.78nF(780pF)、
コンデンサの逆比に比例させて分圧電圧を極端に小さくさせているC2は0.13μFであった。

いろいろ資料を検索していると
C1は250pF
C2は0.122μF
C3は750pF
が正確な値だそうな。
1相地絡時にZPDの低圧コンデンサに現れる電圧は
3810×3C1/(C2+3C1)
=3810×750/(122000+750)
=23.28V
これが1/20降圧Trを通してY端子に現れる電圧は1.164Vになる。
実際に試験機につないで測定してみた。
試験機はマニュアル操作ができることに漸く気づいて、

Vo=190Vに固定し、このときのY端子出力は59mV

ついでにトランス1次側のC2両端を図ってみると、1.265Vであった。
1.265/20=0.06325 63mV 大体あってる。。。
190×750/(122000+750)=1.16V やっぱりあってるよ。。たぶん。。(笑
戸上の説明書を見ると
零相電圧Vo190V(5%)にてY1-Z2間出力は60±15mVとなっていた。
- 2017/02/11(土) 11:14:15|
- 電気
-
-
| コメント:0
方向性DGRが欲しいと思い、出入りの工事やさんに聞いてみると
丁度、撤去品があるとのこと。
本日、ご厚意に甘えて、とある倉庫に必要な部品を取りに行ってきた。
PAS本体があったので、分解し、ZCT、ZPD、ZPC、開放用ソレノイドも
取り外してきた(作業写真なし)。
自宅で適当な板に打ち付けてみる。

なんとも不細工だがとりあえずの配線接続のみ。
早速試験機に接続。

整定値
動作電流:0.2A
動作電圧:5%
動作時間:0.2sec
試験結果
動作電流値:Vo 286V(150%)にて 206mA(103%)
動作電圧値:Io 300mA(150%)にて184V(96%)
動作時間値:
Vo 286V(150%)、Io 260mA(130%)にて 259msec(129%)
Vo 286V(150%)、Io 800mA(400%)にて 160msec(80%)
位相特性:Vo 286V(150%)、Io300mA(150%)にて 【OK】 とでた。

そうか、位相特性は反転180度あたりで動作しませんでしたよというだけなのかな。。。
やっぱり、位相角度が表示されるものが欲しいな。。。。。。。。と
そのほかにソレノイドの動作電圧はDC150V。。動作音はかなり大きい。。当たり前か。
試しにデジボルで0.2A流した時のZ1,Z2間の発生電圧は20mV前後とわかる。
結構、低い電圧なんだとびっくりする。
また、動作電圧試験時のY1、Z2間出力は184V印加で50mV前後。。入力側4.56V。。
比は1/100なのか?
計算してみないと。。。。?
Cメータも欲しいな。。
この試験機は思いのほか便利だ。
でも、勝手に自動で測定してくれるのはいいんだけど。。
そもそもVo、Ioの値の定義、妥当性などが
今更ながらわかったようで、よくわかっていない。
頭のなかを整理するために
1線地絡、3線地絡あたりから復習しないといけませんね。。
- 2017/02/04(土) 21:00:08|
- 電気
-
-
| コメント:0